かかりつけ薬局に来ている患者の状態が悪くなり、入院してしまうことがあります。
入院の際には薬局から病院へ持参薬情報を送付することで服薬情報等提供料3を算定することができます。
では退院の際に薬局の薬剤師が算定できる可能性がある報酬は何かというと、退院時共同指導料です。
退院時共同指導料とは、入院中患者に退院後の訪問薬剤管理指導を担う保険薬局の薬剤師が退院後の在宅での療養に必要な情報を病院の職員※と共同で指導した際に算定できる診療報酬です。
退院の際の情報提供に医師か看護師が集まらなければならなかったのですが、令和4年に職種の要件が緩和されました。
退院時共同指導料はビデオ通話可能となり職種の要件が緩和された
そのため令和4年診療報酬改定では、職員の職種とビデオ通話が可能な場合の要件が緩和されました。
退院時共同指導料の報酬は600点です。
職種は”保険医又は看護師等、”とされていた文言の後に”薬剤師、管理栄養師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士”が追加されました。
ビデオ通話に関しては”医療資源の少ない地域”と”対面で行うことが原則であるが”といった要件の文言が削除され
”退院時共同指導料の共同指導は、保険薬局の薬剤師が、ビデオ通話が可能な機器を用いて共同指導した場合でも算定可能である。”となりました。
要件の緩和を踏まえて薬局ができること
調剤薬局では患者が病院から退院したことを後で知ることが多かったのではないでしょうか。
職種に社会福祉士が明記されたうえに、ビデオ通話の算定要件の緩和により、今後は退院時共同指導料が増えていくことでしょう。
対象患者は訪問の患者に限定されますから、日頃から調剤薬局は在宅医療に力を入れていく必要がありますね。
病院は採用薬が限られるため、同系統の薬への処方変更や剤型規格の変更があります。
そのような場合でも入院時の情報提供書と併せて薬薬連携が進むとことで薬の準備がスムーズとなり患者が恩恵を受ける機会が増えてゆくのではないでしょうか。
ビデオ通話の算定要件の話題が出ましたが、薬局の情報セキュリティに関する記事や、オンラインに関する記事も書いていますのでよろしければご覧ください。
この記事は令和4年についてのものです。令和6年の調剤報酬改定の方向についての記事はこちらです。
参考資料:令和4年診療報酬改定の概要(調剤)はこちら
中医協総ー2 4.1.26資料はこちら