財政制度分科会がR3/11/08に行われ、社会保障の予算についての情報が出されました。
この予算の大枠により診療報酬改定の大枠の方向がつかめるため、中身を見ていきましょう。
薬剤師が関係する内容は、内容はおおまかに以下となります。
調剤報酬のスライドにて調剤基本料、調剤料、薬学管理料の比率のグラフが示されています。
この比率において薬学管理料の割合を増やしたい意図がありますが、10年で18%から20%へ微増しているに過ぎないことが読み取れます。
診療報酬は薬学管理などの価値のあるサービスを提供する薬局・薬剤師を評価する方向にシフトするべきとあります。
調剤料を減らし、薬学的な管理料に関する点数が増える改定となりそうです。
在宅業務や継続的なアフターフォローによる実績を重視する報酬構造への転換(リフィル処方箋の導入、多剤重複投薬等への対応)のとの記載があります。
リフィル処方箋の解禁が議論されるのではないでしょうか。
多剤重複投薬は以前より厳しく減薬を促す対応が必要となりそうです。
つづいて別のスライド、かかりつけ薬局について
まず地域支援体制加算と地域連携薬局の要件が整合性が明確でないことが問題視されています。そして、関係機関との情報共有についての記載があり、入院時の持参薬情報の医療機関への提供、退院時カンファレンスへの参加と今まで無かった薬薬連携の項目が増やされています。
退院処方の情報、入院時の持参薬の情報のやりとりがカギとなってくるでしょう。
次のスライドは同一敷地内薬局に係る調剤基本料の見直しについてです。
こちらは敷地内薬局をとにかく作らせたくないような記載となっています。総合病院からの処方箋が生活圏の薬局で受付されることを促したいのでしょう。
続いて、後発医薬品調剤体制加算等の見直しについてです。
現在、後発医薬品が手に入りにくい品目を割合から除く措置が取られているため、後発品の割合がどれぐらいなのか正確に把握していない薬局は結構あるのではないでしょうか。
後発品を一定割合で処方することで今までは加算でしたが、これからは基準に満たない場合は減算となるような点数設定となりそうです。
リフィル処方箋について解説しているスライドがあったのですが、現状の分割調剤すら機能していないので医師が30日分3回といったリフィル処方箋を発行するかは疑問です。受診の機会が減るわけですから、医師側のメリットがないとまず普及しないでしょう。
多剤・重複投薬への対応
向精神薬の取り締まりが強まりそうです。今の薬歴システムであればだいたい同じ成分を監査してくれるのではないでしょうか。不要な薬は漫然投与で保険も切られますし、 今まで通り疑義しましょう。配合剤がどのようにカウントされるかが気になります。
薬価改定について
薬価下がります。以上。
保険給付範囲の見直しについて
ビタミン剤、うがい薬、湿布に加えて花粉症、保湿薬も自己負担の範囲を広げることを検討するようです。
保険給付範囲の見直しについては、その2があります。
そのため、セルフメディケーションを進めるうえで、保険給付範囲の見直しを検討すべきとしています。
しかし、見る人が見たらわかる通り品目は小児科の薬です。感染対策のためにオンライン診療を受け、医療保険部分の自己負担がないため、送付したのではという現場が容易に想像がつくと思われます。
これが保険給付から外れると、小児科の医療証は地方公共団体によって無償かされているので市区町村の負担増となります。
今回出された財務書の資料の記載はこのような内容でした。
引き続き、診療報酬改定の今後を注意して監視しましょう。